ふきよせるかぜになびく文

根無し草の戯れ言です。労働とか文化とか。

ヒゲ脱毛しない未来もあったけど ①

 ヒゲが濃い。しかも肌が白いのでそれが目立つ。悪目立ちだ。

 ヒゲの脱毛は学生の頃から何度か考えたが、時間がかかる。お金もかかる。美容外科のプランを見るたびに、まぁいいかと思い留めていた。だがこのたび図らずも時間ができたので、数年ぶりにいくつか美容外科のサイトをのぞいて見ることにした。すると予想以上に手頃な価格、しかも短期間で施術が可能ではないか。美容医療は日進月歩で、脱毛の器具も進歩しているらしい。

 いくつかの美容外科を比較検討し、自宅から電車で数駅のところにある、院名に地名が入っているクリニックを選んだ。あご・鼻下と頰の各6回コース(ヒゲが一定量減るとされる標準的な回数)がそれぞれ約3万円なので合計6万円である。かつては10万円は軽く超えていた気がするので、かなりリーズナブルになったと言えるだろう。期間も1回の施術ごとに1〜2ヶ月の間隔をあける必要はあるが、それでも1年以内には終わるスケジュール感だ。これも以前に比べれば早くなっている。

 ネット上で予約したカウンセリングの日を迎え、クリニックへと足を運ぶ。もともと無意味に身体が丈夫なので、皮膚科と歯医者くらいにしか普段行くことがない。美容外科の客層の想像がつかないが、おそらく男性は少ないだろう。

    クリニックの扉の前に立つと少し躊躇した。美を追い求める女性たちが集う空間、いや未知なる世界に飛び込むときには、一握りの勇ましさがいるのだ。『Shall we ダンス?』の役所広司もダンス教室の入口に立ったとき同じような表情をしていたかもしれない。今度金曜ロードSHOW!でやってたら確認してみよう。